歯の名前とそれぞれの役割
名古屋市にある、あんどう歯科クリニックです。
毎日の生活に欠かすことのできない体の一部である「歯」ですが、それぞれに名前があり、役割も大きく分かれています。
欠損していい歯など一本もありません。
一本一本の歯を詳しく知ることで歯の大切さを理解し、日々の口腔ケアの質や意識が高まると考えています。
今回はそんな歯の名前や役割についてご紹介します。
▪️歯それぞれの名前
上記図の通り、上下左右に分け、前歯から奥歯にかけて1番、2番、・・・8番と番号で呼ばれます。また、歯は大きく分けると（前歯）（小臼歯）（大臼歯）の3種類に分けることができます。
・前歯（ゼンシ）
図の1～3番までを前歯と分けられ、1番を中切歯・2番を側切歯・3番を犬歯とそれぞれ呼びます。
・小臼歯（ショウキュウシ）
図の4・5番を小臼歯と分けられ、4番を第1小臼歯・5番を第2小臼歯と呼びます。
・大臼歯（大臼歯）
図の6～8番を大臼歯と分けられ、6番を第1大臼歯・7番を第2大臼歯・８番を第3大臼歯とそれぞれ呼びます。
※その他でも、歯をもっと大きく分けると1～3番を前歯部、4～8番を臼歯部と分けることもできます。
▪️別の呼び方もある？
歯のそれぞれの名前をお伝えしましたが、別名で呼ばれる場合もあります。聞き慣れた名前には、前歯（マエバ）・奥歯（オクバ）などありますが、歯科検診の際に「右上1番」や「右上2番」など
と耳にした経験があると思います。
これは、口頭やカルテに記載する手間を省くために歯科医院で略して呼ばれている名前になります。
簡単に説明すると最初に見て頂いた図の番号通りで、上顎の右の歯、一番手前が「右上1番」、手前から2番目を「右上2番」と言った形で上下左右で1～8番と略されています。
※少し話はずれますが、同じ歯科検診の際に「シーオー」や「シーワン」と言った言葉も耳にすると思いますが、それは、その歯の虫歯の進行度や過去に治療しているかなどを表しています。
▪️歯それぞれの役割は？
歯の役割といえば、食べ物を噛み砕いて飲み込みやすくしたり、消化しやすくしたりと言ったことが思い浮かぶと思いますが、実はその他にも、発音を助けていたり、噛むことで脳を刺激したり、体のバランスを保つための役割も担っています。
歯をたった1本失っただけで、正常な働きができないと言われており、仮に大臼歯を1本失った場合、物を噛み砕く能力は40%も低下するという研究データも出ています。
また、歯を失う位置によっては「サ行」や「ラ行」、「ハ行」などが発音しにくくなったり、顔の輪郭が変わって表情が老けて見えることもあります。
多くの歯を失った場合は噛む能力が著しく低下するため、食べ物から摂取している様々な栄養素の摂取量が低下するとも言われています。
では、一本一本それぞれの歯の大切さを知るためにも役割を詳しく見ていきましょう。
・前歯の役割
1.中切歯・側切歯の役割
中切歯・側切歯は食べ物を適度な大きさに噛み切る役割をしており、最も顔の印象を左右する歯になります。また、発音にも大きく関係している歯でもあります。
2.犬歯の役割
犬歯は食べ物を切り裂く役割をしており、他の歯よりも根っこが長く強度があるため、横の力に弱い臼歯に直接力が加わらないよう守る役割も担っています。また、この歯は第1小臼歯のすぐ隣にあり、ちょうど前歯と奥歯の間にあることから噛み合わせの目印、つまり、上下の顎が正しく噛み合うためのガイドの役割があると同時に、犬歯の尖った部分が引っかかることで、噛み合わせのずれも常に修正してくれています。
・小臼歯の役割
小臼歯は前歯で噛み切った食べ物を奥に送る役割があります。
その他にも、下顎が奥に下がらないようにするストッパーの役割や顎関節の機能を守ったり、噛み合わせを安定させる役割もあります。
・大臼歯の役割
大臼歯は食べ物を噛み砕いたり、すり潰す役割をしています。
特に第1大臼歯は噛む力が最も強く、噛み合わせの基準となる歯です。しかし、第1大臼歯は虫歯になりやすといった特徴もあります。
小臼歯、大臼歯含め、臼歯を失うと物を噛む力が大きく低下するため、虫歯予防は特に意識しておきましょう。
▪️まとめ
いかがだったでしょうか？
歯は単に食べ物を噛むためにあるだけでなく、体の一部として様々な役割を担っており、一本一本がそれぞれ別の役割で補い合っていることがわかったと思います。
歯をたった1本失うだけで、口腔機能は低下します。
もちろん入れ歯やブリッジ、インプラントなどで補うことは可能ですが、一番良いのはご自身の歯です。
それぞれの歯の役割を理解することで、日々の口腔ケアの大切さや歯科医院で行う定期検診の重要さを意識できるようになれば嬉しく思います。