舌磨きはしないほうがいい?デメリットがある?
名古屋市にある、あんどう歯科クリニックです。
舌磨きをしたことのある方は多いと思いますが、毎日している方は意外と少ないと言われています。
実は舌を清掃している人は全体の約20%しかおらず、80%近くの人は舌の清掃を行っていないことになります。
人の口の中には300~700種類の細菌が生息していると言われ、個人差はありますが、その数おおよそ1,000億~1兆個もの細菌が住み着いています。
もちろん口の中なので、歯や歯茎だけでなく、舌にも細菌が住み着いています。そう聞くと確かに不衛生かもと思う方も多いのではないでしょうか?
しかし、一部で舌磨きはしないほうが良いと言う意見もあります。
ではなぜしないほうがいいと言われているのか?そもそも舌磨きは必要なのかについて詳しく紹介しています。
舌磨きはしたほうがいい?
冒頭でもお伝えした通り、舌にも細菌は大量に潜んでおり、汚れも付着しています。
舌の表面は凹凸になっているめ、余計に付着しやすい環境になっているのが事実です。
そのため、舌磨きを行わないことで細菌や汚れはどんどん溜まり、口臭の原因になったり、感染症を引き起こす可能性もあります。
口腔内を清潔に保つためにも舌磨きは行なったほうがいいと言えます。
なぜしないほうがいいという意見がある?
ここまでの話では、確かに舌磨きを行う必要があると感じた方も多いと思います。
ではなぜ、「舌磨きはしないほうがいい」と言われるかというと、主な理由は舌を傷つけてしまう可能性があるからです。
舌はとてもデリケートなので、ブラシで強く擦ってしまうと舌の表面を傷つけてしまいます。舌が傷つくと、傷の溝に細菌や汚れが溜まりやすくなり、炎症を起こす可能性や逆に口臭を悪化させる場合もあります。
また、舌の表面には味蕾と呼ばれる味覚を感じる細胞があるため、味蕾を傷つけてしまうことで味覚障害を引き起こす可能性もあります。
このような理由から舌磨きは避けたほうがいいという意見もありますが、そうではなく、正しい磨き方を理解し、舌を傷つけることなく清潔に保つことが重要です。
正しい磨き方を身につけよう
舌の正しい磨き方は、ブラシを舌の奥から優しく手前に向かって数回掻き出すように磨きます。
手前から奥に向かって磨いてしまうと細菌を喉の奥に入れてしまう可能性があり、往復するようにゴシゴシ磨いてしまうと舌を傷つけてしまう恐れがあるため、必ず奥から手前を覚えておきましょう。
また、舌磨きは歯磨きと合わせて行う方がほとんどで、ついでだからと、歯ブラシで舌を磨く人もいるかと思いますが、毛先が柔らかい舌磨き専用のブラシを使用するようにしましょう。
そして、舌磨きを行うタイミングは細菌が最も多く残る朝起きてすぐに1回のみ行いましょう。
※口臭や汚れが気になってゴシゴシ磨きたい気持ちはわかりますが、危険なのでやめましょう。また、1日に何度も磨くとデリケートな舌には負担がかかりすぎるため、1日1回を目安にしましょう。
実際舌磨きにはどんなメリットがある?
①感染症予防
お伝えした通り、舌には様々な細菌が大量に潜んでいます。
風邪などの経口感染が多い感染症は、舌を清潔に保つことで感染症を未然に防ぐことに繋がります。
また、舌を清潔に保つことは、口腔内の細菌を体内に入れないことに繋がるため、腸内細菌のバランスは正常に保たれ、免疫力の低下を防ぐことができます。
②口臭の改善と予防
口臭が気になるかたの中には、舌の表面が白くて気になるといった方も多いのではないでしょうか?
白い汚れは「舌苔」と呼ばれ、細菌や食べカス、粘膜などでできています。実はこの舌苔が臭いの原因であるガスを発生させています。
舌磨きを行い舌苔を除去することで、口臭を改善し、予防することができます。
③正常な味覚の維持
舌磨きを行わず、汚れが蓄積され続けると味覚が鈍感になる原因になります。味覚が鈍感になると味の濃い物や油っぽい物を好むようになり、体に不調をきたす場合もあります。
しっかりと汚れを除去することで味覚を正常に保ち、結果健康的な食生活をおくることも可能になります。
④誤嚥性肺炎の予防
気管に入ってはいけない物が入り、肺炎が生じることを誤嚥性肺炎といいます。
主な原因は老化や脳血管障害の後遺症などで、飲み込んだり咳をする力が弱まり、細菌や食べかすを誤って気管に入れてしまうことから誤嚥性肺炎の発症につながります。