上唇小帯(じょうしんしょうたい)って何?
名古屋市にある、あんどう歯科クリニックです。
皆さんは上唇小帯と言う言葉を聞いたことはありますか?
聞き慣れない名称ですが、親御さんの中にはお子様の上唇小帯が長いや太いと指摘され、心配になった方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は上唇小帯付着異常について詳しくお話ししていきます。
目次
上唇小帯付着異常とは?
上唇小帯は上前歯の中心にある筋のことです。
この筋が上の前歯の歯と歯の間に入り込んでいることがあり、赤ちゃんの検診の際に指摘されることが多々あります。
しかし、過剰に心配する必要はなく、低年齢では上唇小帯が太いのは当たり前で、顎が成長すると共に位置が上に移動して行くため、幅も徐々に狭くなっていきます。
心配が必要になるのは成長しても上唇小帯が歯と歯の隙間に入り込んだまま改善が見られない場合です。
年齢を重ねても改善しない場合は?
前歯の永久歯が生え変わる6~7歳程度になっても上唇小帯の改善が見込めない場合は切除が必要になります。
処置の流れは、まず麻酔を行い、小帯に切れ目を入れ硬い部分を切除します。その後、止血を行い縫合し、軟膏で傷口を保護、抜糸は1週間前後で行い処置完了となります。
術後は経過観察を行い後戻りがないことが確認できれば完治となります。
切除と聞くと心配になると思いますが、処置自体は比較的簡単なので、過度に心配する必要はありません。
切除すると顔が変わる?
上唇小帯を切除することで顔つきが変わる可能性はすくなからずあります。切除することによって、つっぱりがなくなり、ガミースマイルや笑う時に口角が上がりにくくなったりといったケースは稀にあります。
なので、一概に切除することをおすすめする訳ではなく、患者さんの要望を聞いた上であくまでも最終手段として切除が行われます。
切除を避けるためにできること
もちろん成長と共に改善する場合がほとんどっですが、100%ではないことは事実です。
将来的に上唇小帯付着異常も切除も避けたい方は生え変わり前の段階であれば、口腔内のストレッチなどを続けることで改善の可能性が見込めるため、詳しくは歯科医院に相談に行くようにしましょう。
6~7歳以降もそのまま放置するとどうなる?
上唇小帯付着異常をそのまま放置すると歯並びが悪くなる可能性があります。
前歯が永久歯に生え変わっても歯と歯の間に上唇小帯は入り込んで隙間ができてしまいすきっ歯状態になります。
また、上唇小帯があることで歯茎と歯に隙間が生じ、ブラッシングやフロスがしづらくなります。すると汚れは溜まる一方で歯茎が赤くなったり、腫れたり、虫歯を誘発することもあります。
その他にも状態によっては発音障害や唇の開閉不全なども引き起こす可能性があります。
歯科医師と相談し、切除が必要であれば放置せず処置を行うようにしましょう。
切除すればすきっ歯は治る?
永久歯に生え変わる前であれば切除することで上唇小帯付着異常が原因ですきっ歯になることはありません。しかし、全ての歯が永久歯に生え変わった状態ですでにすきっ歯になっている場合は切除したからといって自然にすきっ歯が治る可能性は低く、矯正治療が必要になるケースがほとんどです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
お伝えした通り、上唇小帯が長かったり太かったりしても、すぐにどうこうなるわけではありません。大抵は成長と共に問題は解決されて行くので心配しすぎないようにしてください。
また、成長しても改善が見込めず生え変わり時期が来たとしても必ずしもすきっ歯になるとは限りません。
親御さんからすると切除するしないの判断は難しいと思いますが、しっかり歯科医師と相談の上で決断するようにしましょう。