虫歯じゃないのに歯が痛いケース
名古屋市にある、あんどう歯科クリニックです。
歯医者で虫歯はないと言われたばかりなのに歯が痛いといった経験をされた方は意外に多くいらっしゃいます。
（歯が痛い＝虫歯）と思われるかもしれませんが、虫歯じゃないのに歯が痛むケースは存在します。
今回は、虫歯以外で歯が痛くなるケースについて詳しくご紹介していきたいと思います。
歯の痛みは2種類に分けられる
歯の痛みは大きく2つに分けられ、歯原性歯痛と非歯原性歯痛があります。
それぞれ見ていきましょう。
・歯原性歯痛とは？
歯の内部、神経や血管が刺激されて引き起こされる痛みを歯原性歯痛といいます。
虫歯、酸、摩耗などによって神経や血管が刺激され痛みが生じます。また、歯周病が原因で、歯の周りの骨が溶けぐらつきが生じ痛みを伴う場合も歯原性歯痛に分類されます。
・非歯原性歯痛
歯以外が原因で引き起こされる痛みを非歯原性歯痛といいます。
具体的には顎関節症や歯ぎしり、ストレスなどが原因で痛みを感じることがあり、筋肉や神経性のものが原因で引き起こされます。
また、身体全体が緊張して痛みを感じる場合もあります。
虫歯以外で痛みを感じる原因は？
虫歯以外で痛みを感じるケースは様々あります。
原因や対処法についてそれぞれ紹介していきます。
1、神経が炎症している
歯の神経の炎症は虫歯の可能性が高いと言えますが、歯周病や外傷が原因の場合もあります。神経の炎症の場合は早めに歯科医院に相談し、適切な処置を行ってもらいましょう。放置すると最悪神経を抜く必要も出てきます。
２、歯ぎしり、食いしばり
歯ぎしりや食いしばりを続けてしまうと歯に大きく負担がかかり、摩耗や圧迫が起こります。これは歯や歯の周辺組織に影響を与え、噛み締めた時に痛みを感じたり、歯根膜が炎症を引き起こし痛みを伴う場合があります。
歯ぎしりや食いしばりは歯科医院でナイトガードやマウスピースを使った治療が行えます。放置せず、早めに相談しましょう。
３、歯列接触癖
歯列接触癖とは上下の歯を無意識に接触させてしまう癖の事を指します。
本来であれば上下の歯は2～3㎜離れていますが、食事の際以外にも無意識に接触してしまっている状態です。
この場合歯に負担をかけ続けてしまっているため、摩耗や割れ、損傷の可能性があり、痛みが発生する場合もあります。
この場合も放置せず、早めに歯科医院に相談し、適切な治療を行いましょう。
４、歯並びの乱れ
歯並びが悪いことで歯が正常な位置からずれてしまっています。
噛み合わせのバランスが悪く、食べ物を噛む時に痛みを伴ったり、顎に痛みが発生する場合もあります。
この場合は歯並びを改善する必要があるため、歯科医院で矯正治療を行うことで改善されます。
5、口内炎
口内炎が原因で歯に痛みが発生する場合があります。
口内炎の中でも、ウイルスが原因で引き起こされるウイルス性口内炎は口内に拡散して歯茎に起こった炎症が歯の痛みにつながることがあります。
ウイルス性口内炎は抗ウイルス薬による治療が基本になります。
6、咀嚼筋の炎症
咀嚼筋の炎症は過度に筋肉を使用した場合やストレス、歯ぎしり、顎関節症などが原因で引き起こされ、場合によっては歯に痛みを伴うケースもあります。
原因によって対処法が異なりますが、ストレス管理を行ったり、マウスピースによる治療や硬い物を避け、柔らかい食べ物を食べることで筋肉を休ませるなどの対処が有効です。
7、片頭痛や神経痛
片頭痛や神経痛の症状の一つとして歯に痛みが生じることがわかっています。
この痛みは歯の神経の炎症と似た痛みをしており、ご自身で鑑別しにくい歯の痛みとなっています。
専門的な医療機関で詳しい診断を受け、適切な治療を早期に行うことが重要です。
8、口腔がん
口腔がんが原因で、歯の痛みや歯のぐらつきなどの症状が現れる場合があります。
初期段階では痛みは少なく進行してから痛みを感じるケースがほとんどなので、早期に専門の医療機関に相談しましょう。
口腔がんのリスクを減らすには口腔内の衛生環境の管理や、バランスの良い食事、アルコールやタバコの摂取を控えるなどが挙げられます。
9、副鼻腔炎
副鼻腔炎は副鼻腔が炎症を起こす病気で、歯とは全く関係ないと思われがちですが、この炎症が歯の根や歯の神経に波及することがあり、歯に痛みが発生する場合があります。
耳鼻科などで副鼻腔炎の治療はもちろんですが、歯に痛みがあるのであれば歯科医院も受診するのが理想的です。
10、気圧性歯痛
気圧の変化によって歯に痛みが発生する場合があります。
具体的には飛行機の離着陸時やダイビングなど急激に気圧が変動する状況下で感じることが多い傾向にあります。
気圧性歯痛が起こる原因には歯に何らかの問題が発生している兆候の可能性もあるため、一度歯科医院に相談することをおすすめします。
11、親知らず
親知らずが生えてくる際、成長中に動いたときも隣り合う歯や神経を圧迫することで歯に痛みを感じる場合があります。
痛み止めを服用することで痛みは落ち着きますが、一時的に痛みを止めているだけです。
場合によっては炎症を引き起こし、大きな問題になる可能性があるため、早めに歯科医院に相談する事をおすすめします。
まとめ
いかがだったでしょうか？
歯が痛いと虫歯をまず疑いますが、意外にも虫歯以外で歯の痛みを伴う場合は多く存在します。
そして、全く関係なさそうな病気が原因で歯に痛みを伴う場合もあることをご理解いただけたかと思います。
場合によっては歯の痛みが原因で大きな病気が見つかる可能性もあります。
直近で虫歯はないと診断されたから痛みはすぐ引くだろうと考える方もいるかもしれませんが、歯に痛みが出ている以上、何らかの原因が存在します。
ご自身で判断せず、再度歯科医院を受診することをおすすめします。